妊娠中はつわり(妊娠悪阻)や切迫流産・早産等、様々なトラブルからやむを得ず欠勤になってしまうことがあると思います。そんな時、育休手当の給付額は減ってしまうのか気になる方のための記事になります。
私自身つわりで2-3ヶ月休職をしており、育休手当について分からないことだらけだったため、できるだけ分かりやすく解説していきます!
【登場人物】
夫:ひろ(FP3級)
妻:さや(FP3級)
次より詳しく解説していきます!
※本記事は2024年6月時点の情報で、給付金がもらえることが確定してる前提です
育児休業給付金の算定
まずは1ヶ月分の育休手当の計算方法を確認!
これは原則子が1歳になる前日まで貰えます。(最長2歳まで延長可能)
休業開始時賃金日額×支給日数※1×67%※2
※1:原則30日
※2:休業開始後181日目以降は50%
休業開始時賃金日額について
休業開始時賃金日額とは、
育休開始直前の6ヶ月間の総支給額を180日で割った金額
厚生労働省公式サイト,2024年2月
ただし、産休中は給料の支払いが無いので、実質は産休開始前からの6ヶ月で計算!!
例) 月30万支給されていた場合の賃金日額
180万円(6ヶ月×30万)÷180日=1万円
育休中は健康保険・厚生年金名等の税金の支払いが免除されます。住民税の支払いは続くため注意です。
1ヶ月の給付額の算定
賃金日額を上で紹介した計算方法に当てはめていくと、月々の支給額が分かります。
例) 月30万支給されていた場合の1ヶ月の給付額
1万円×30日×0.67%=23万4500円
1万円×30日×0.5%=15万円
1ヶ月の給付額の早見表
月の総支給額 | 育休開始から180日目まで | 181日目以降〜 |
---|---|---|
50万 | 33万5000円 | 25万 |
45万 | 30万1500円 | 22万5000円 |
40万 | 26万8000円 | 20万 |
35万 | 23万4500円 | 17万5000円 |
30万 | 20万1000円 | 15万円 |
25万 | 16万7500円 | 12万5000円 |
20万 | 13万4000円 | 10万円 |
15万 | 10万500円 | 7万7310円 |
※早見表は、参考までに算出した概算
手取りの約8割が支給されるイメージだよ!
妊娠中に欠勤したら育休手当は?
先ほど、休業開始時賃金日額とは”育休開始直前の6ヶ月間の総支給額を180日で割った金額”と説明しましたが、妊娠中に欠勤した場合は、出勤日数によってこの6ヶ月の対象月に入るかが決まります!
ポイント①|対象となる出勤数は11日以上
出勤日数が11日以上ある月が対象となります!そのため、その月の出勤日数が11日未満になる場合は対象月にカウントされず、その前の月の給料が計算対象になります。
例)9月から産休に入る場合
月 | 出勤日数 | 対象判定 |
---|---|---|
2月 | 21日 | ○ |
3月 | 20日 | ○ |
4月 | 10日 | × |
5月 | 0日 | × |
6月 | 20日 | ○ |
7月 | 20日 | ○ |
8月 | 21日 | ○ |
9月 | 11日 | ○ |
この場合、通常であれば4〜9月の6ヶ月間が対象期間になりますが、4.5月の出勤日数が11日未満のためカウントされず、その前の月に遡って計算されます。
そのため、2.3月を含めた合計6ヶ月が計算対象になってきます。
ポイント②|給料締め日から出勤数を計算
休業開始時賃金日額の6ヶ月間というのは給料の締め日から計算されることを覚えておきましょう!
例)3月の給料
- 締め日が15日:2/15〜3/14
- 締め日が25日:2/25〜3/24
- 締め日が30日:2/28〜3/31
※会社の規定によって異なりますので、計算の際は各自で確認してください。
給付金をもらえるかどうかの1ヶ月の区切り方は「育休開始日」もしくは「産休開始日」が基準になります。給料の締め日は関係ないので注意してください!
基本的に産休は、出産予定日の6週間前から取れますが、産休に入る時期により給付金に差が出てしまう可能性があります。
つわりなどの理由で欠勤する場合や産休前最終月の出勤日数が11日以上ある方用に私の体験談を次で説明していきます!
給付金を最大限もらうための体験談
給付金を最大限もらうために、私の経験談を踏まえた体験談を記載していきます!
フル出勤or11日未満の方は問題ないよ!
体調不良で欠勤が続いた月は・・
【出勤日数が11日未満になるように欠勤をする】
つわりなどで辛い中、時短勤務や遅刻・早退を繰り返すと給料が減るだけでなく、出勤日数はカウントされてしまうため給付金に大きく影響します。
そのため体調が悪い日が続く場合は思い切ってまとまった欠勤をとるのも手です。
産前最終月の出勤日数が11日以上になりそう・・
① 【出勤日数が11日未満になるように早めに産休に入る】
産休前の出勤日数がギリギリ11日以上になりそうな時はどうすればいいの?
出産予定日によってはその可能性もあるよね。
その場合は、早めに産休に入らせてもらおう!
数日であれば欠勤でお給料が減るリスクはありますが、早めに産休に入らせて貰うことで、育休中の給付額が結果的に増える可能性が高くなります。
ただこの方法は、職場環境や休みの取りやすさ等により難しい場合もあると思いますので、一度職場に相談してみることをオススメします。
② 【産前休暇に入るのを遅らせる】
じゃあ、あと数日でフル出勤になる場合は・・?
数日だったら働いて産休に入るのを遅らせるといいよ!
この場合は、産前休暇を遅らせることで産休手当は減ってしまいますが、働いた分のお給料と約10ヶ月に渡る育休手当の給付額が増えるため、数日頑張って働くことで得をすることが出来ます。
妊娠中は何が起こるか分からないので、ご自身の体調や勤務状況をみて、無理のない範囲で行ってください。
傷病手当をもらえる可能性も!
つわりで食事が摂れなかったり、お腹の張りが頻繁に起こるなどの症状がある時は、無理をせずに先生に相談することをオススメします。
妊娠中は”母性健康管理指導事項連絡カード”という診断書の代わりになるものを記入してもらえば、欠勤4日目から傷病手当金を貰うことができます。
ただ、先生によって仕事を休むまでの指示を出してもらえない場合もありますので、ご自身の体調や勤務状況を正確に伝えることも重要になってきます。
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まとめ
この記事で、妊娠中のつわりなどで欠勤した場合の育休手当の給付額についてご紹介しました。出産後も子育てにお金がかかるので、できるだけ育休手当を多くもらえるための参考記事になれば嬉しいです!
2025年4月1日より育児休業給付の給付率が引き上げられ、要件を満たせば手取りで10割となる予定です