本記事では、宅地建物取引士資格試験(以下、宅建)を1年間コツコツ独学で合格した私の経験とおすすめ参考書や通信講座などを紹介します。
宅建とは
宅建は国土交通大臣から指定を受けた指定試験機関(一般財団法人不動産適正取引推進機構)が、各都道府県知事の委任のもとに実施しいている国家資格!
若い世代から高齢者までの知名度が高く、不動産業界だけでなく金融業などの様々な業界に人気がある資格試験です。
宅建に合格し登録など手続きをすると、各都道府県から宅建士証を交付され以下の独占業務をすることができます。また、宅建業を行う企業では、宅建保有者を5人に1人以上設置しなければいけません。
- 重要事項説明
- 重要事項記載書に記名・押印
- 契約内容記載書に記名・押印
試験概要
宅建は年齢、性別、学歴、実務経験などの制約はなく誰でも受験することができます。
例年、申込期間は7月頃からインターネットおよび郵送申込が始まります。インターネット申込の方が締切が早いのでよくご確認下さい試験日は例年10月の第3日曜日です。
宅建の試験科目は以下のとおりです。
免除者について
宅建業に従事していて従業者証明書をもらえる人は予備校などで、登録講習を受講することで5問免除になります。登録講習の登録講習機関一覧は国土交通省のホームページに詳しく記載されているので確認してください。
1問1点で50問出題されますが、国土交通大臣が指定する講習を受講して「登録講習修了者証明書」を交付された人は、5問免除制度が適用されます。
合格率と難易度
宅建の合格率は、相対評価の試験なので受験者の点数で合格点が毎年変わります。ただし、建築士の学科試験みたいな科目ごとの合格基準はありません。
次の表は、宅建の合格率を示したものです。
試験年度 | 受験者数(人) | 合格者数(人) | 合格率(%) |
令和4年 | 226,048 | 38,525 | 17.0 |
令和3年度(12月) | 24,965 | 3,892 | 15.6 |
令和3年度(10月) | 209,749 | 37,579 | 17.9 |
令和2年度(12月) | 35,261 | 4,610 | 13.1 |
令和2年度(10) | 168,989 | 29,728 | 17.6 |
令和元年 | 220,797 | 37,481 | 17.0 |
平成30年 | 213,993 | 33,360 | 15.6 |
平成29年 | 209,354 | 32,644 | 15.6 |
平成28年 | 198,463 | 30,589 | 15.4 |
平成27年 | 194,926 | 30,028 | 15.4 |
合格率のグラフと表からも分かりますが、例年受験者の15-17%前後で合格率が設定されています。難易度としては難しそうに思えます。
しかし、受験資格の制限がないため「とりあえず受験してみようかな」という人など途中で勉強を諦めてしまう人が一部いることに受験当初に感じていました。つまり、合格率のデータにあまり捉われなくてもいいのかなと個人的には思います!!
宅建の勉強方法
はじめに、宅建勉強は過去問が最重要だと感じたので、インプットに関しては、分野別問題集を購入でも通信講座や大手資格予備校でも自分に合ったスタイルを選ぶことが重要だと思います。
受験当初、分野別の問題しか解いていない状況で、どれくらい点数取れるか試したく過去問を解いたところ24点しか取れなくとても焦りました。ただし、その後ひたすら過去問を解いているとぐんぐん点数を取れるようになったのをすごい覚えています。
私の1年間のスケジュールを紹介します。
- 11月頃:宅建の用語をマンガで解説してくれる参考書を2週間かけてまず読む
- 12〜8月:分野別に別れた参考書を解く
- 8〜9月:過去問10年分を解く
- 10月:法改正をチェック、過去問をひたすら解く
独学のおすすめ参考書
12〜8月の部分は自分に合った勉強スタイルを考えて選ぶことをおすすめします。色々な参考書を購入するよりもひとつのシリーズに絞って勉強した方が効率が良いかと思います。自分で時間を決めて、勉強費用を抑えたい人は、独学での参考書をおすすめします。
1. 『マンガ宅建塾』で不動産用語を覚える
受験時、実際にお世話になった『らくらく宅建塾』シリーズ。
初めて本屋で宅建参考資料を探し購入したのが、らくらく宅建塾シリーズの『マンガ宅建塾』です。不動産や民法などの用語が全く知らない状態からの独学スタートでしたが、このマンガ本のおかげでグッと宅建勉強の吸収が速くなったと思います。
2. 試験科目ごとの独学勉強
マンガ宅建塾である程度の不動産用語を覚えたあとは、以下で紹介する参考書を参考に、本屋で実際に手に取って、自分が読みやすい参考書を購入することおすすめします。ただし、ひとつのシリーズで統一して購入した方が良いです。
【らくらく宅建塾シリーズ】
マンガ宅建塾で紹介したらくらく宅建塾シリーズです。らくらくシリーズは法律用語を噛み砕いて説明してくれるので、とにかく法律用語を受け付けない人向けにおすすめかと思います。
また、分野別にそれぞれ参考書が分かれているので、他の参考書に比べ費用はかかりますが、手厚いです。
【みん欲しシリーズ】
とにかく見やすいレイアウトと解説の「みんなが欲しかった!」シリーズの問題集です。
【わかって合格(うか)る宅建士シリーズ】
『みん欲し』シリーズと同じ大手資格予備校TACが出版している宅建士のテキストです。みん欲しと同じくらい見やすいです。『みん欲し』とどちらを購入するかは、本屋かAmazon試し読みで見て比較すると良いです。
2. 通信講座で勉強
コロナの影響により通信講座の需要が高くなった現在、私が受験した年に比べはるかに通信講座のコスト面と教材などが良くなったと感じています。
通信講座では、外出先でスマホ操作で学習できる点や、倍速やしおり機能など通信講座ならではのメリットがあります。次にいくつか通信講座を紹介します。
合格率70%超えと全額返済保証と自信ある『フォーサイト』
※詳細はフォーサイト公式サイトよりご確認ください。
大手資格予備校『大原』
※無料セミナーや宅建士 資料請求の詳細は【資格の大原】公式サイトよりご確認ください。
eラーニング講座の資格対策ドットコム
※無料体験など詳細は【資格対策ドットコム】公式サイトよりご確認ください。
3. 過去問を解く
今までは、分野別に過去問を解いてインプットしてきましたが、ここでは、年度別の過去問を実践形式で行います。
通信講座、大手資格予備校で勉強するのであれば、過去問題集は必ず用意できますが、それ以外で勉強した人、独学の人は、これまでやってきた参考書のシリーズもしくは解説付きの年度別過去問を購入してください。
今までの分野別問題集だけだと全く点数が取れなかったけど、年度別過去問を実践形式で10年分やったおかげで、今までの知識が固まり、点数も超UPしました!
4. 直前期は暗記事項と法改正の確認
宅建試験直前まで徹底的に多くの問題を解くことは大切ですが、暗記事項の確認をすることも大切です。私は、法改正と統計については直前にYouTubeなどを参考にして暗記したおかげもあって合格できました。ぎりぎりまで諦めずに暗記して良かったと実感しているので直前期はぜひ追い込んで下さい。
試験日当日
試験会場近辺では、試験の法改正や答え合わせ案内資料を配付していますので、独学の人は必ずもらって下さい。法改正や重要事項の最終チェックにもってこいです。
まとめ
最後に宅建勉強を経験してて重要に感じたことをまとめました。参考になれば幸いです。
- 宅建勉強開始は、まず宅建マンガ解説本で効率アップ
- 自分がこれだと思った通信講座・独学参考書以外にはあまり手を出さない
- 一通り勉強したら過去問を最低10年分(できたら12年分)を1周以上解く
- 法改正がある年は絶対に法改正事項を確認する
- 短時間でもいいからなるべく毎日宅建の勉強をする
- 独学でも通信講座でも大手資格予備校でも、過去問を解くことが重要