Ⅲ-21
Ⅲ-21 下水道における排除方式に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。
- 下水の排除方式には分流式と合流式とがあり,分流式は汚水と雨水とを別々の管路系統で排除する方式で,合流式は同一の管路系統で排除する方式である。
- 公共用水域の水質汚濁防止を重視して,下水道計画における排除方式は原則として分流式とする。
- 分流式の汚水管きょは小口径のため,合流式に比べて,管きょのこう配が緩くなり埋設深が浅くなる場合がある。
- 合流式は,主に大都市圏において比較的初期から,低地帯の雨水による浸水防止を主目的として事業を実施してきた区域において利用されている方式である。
- 合流式は,降雨時に管きょ内の沈殿物が一時に掃流され,処理場に大きな負担をかけることや,雨水吐からある一定倍率以上に希釈された下水が直接放流されることなど,水質保全上の問題がある。
3. 不適切
分流式の汚水管きょは小口径のため,合流式に比べて,管きょのこう配が急になり埋設深が深くなる場合があります。
Ⅲ-22
Ⅲ-22 下表のア〜エのうち,2つの下水処理法の特徴の組合せとして適切なものはいくつあるか。
選択肢 | 項目 | オキシデーションディッチ法 | 標準活性汚泥法 |
---|---|---|---|
ア | SRT | 大 | 小 |
イ | 処理水量当たりの施設面積 | 小さい | 大きい |
ウ | 維持管理の容易性 | 容易 | 難しい |
エ | 余剰汚泥の発生量 | 多い | 少ない |
- 0
- 1
- 2
- 3
- 4
3. 適切
オキシデーションディッチ法とは、最初沈殿池を設けずに機械式エアレーション装置を有する無終端水路を反応タンクとして低負荷で活性汚泥処理を行い、最終沈殿池で固液分離を行う水処理方式のことです。
ア. 低負荷で処理するためSRT(Sludge retention time:汚泥滞留時間)が長くなり消化反応が進行します。
イ. HRT(Hydraulic retention time:水理学的滞留時間)が長く、水深が浅いため、広い処理場用地が必要です。
ウ. 発生汚泥量は、流入SS(浮遊物質)量当たりおよそ75%で、標準活性汚泥法に比べると小さいです。
Ⅲ-23
Ⅲ-23 次のうち,下水の高度処理における除去対象物質と高度処理プロセスの組合せとして最も不適切なものはどれか。
- 濁度 一 膜分離法
- 色度 ー 活性炭吸着法
- 浮遊性有機物 一 急速ろ過法
- 窒素 一循 環式硝化脱窒法
- 窒素,りん 一 嫌気好気活性汚泥法
5. 不適切
嫌気好気活性汚泥法は、活性汚泥微生物によるリン過剰摂取現象を利用して流入水中から生物学的にりんを除去する方法です。窒素が間違いです。
Ⅲ-24
Ⅲ-24 汚泥容量指標(SVI)とは,反応タンク内混合液を30分間静置した場合, 1gの活性汚泥浮遊物質が占める容積をmL単位で示したものである。標準活性汚泥法において,汚泥の活性汚泥沈殿率(SV30)が30%,MLSS濃度が2,000mg/Lのとき,汚泥容量指標(SVI)の値として最も適切なものはどれか。
- 100
- 150
- 300
- 450
- 600
2. 適切
活性汚泥沈殿率は次式の通りです。
SVI=SV30×10,000/MLSS(mg/L)
=30×10,000/2,000
=150
Ⅲ-25
Ⅲ-25 有効水深3.5 m,滞留時間3時間の沈殿池の水面積負荷(m3/(m2•日))として最も適切なものはどれか。
- 7
- 14
- 21
- 28
- 35
4. 適切
長方形池に置いて、水面積負荷,有効水深及び沈殿時間と池の大きは,次式が成り立ちます。
A=Q/I、V=A•h=Q• t/24より、t=h/I ×24•••①
I=h×24/t=3.5×24/3
=28(m3/(m2•日))
I:水面積負荷(m3/(m2•日)) (= Q/A)、Q:流入水量(m2/d)、A:池の表面積(m2)、t :沈澱時間(h)、h :池の有効水深(m)、V:池の容量(m2)
Ⅲ-26
Ⅲ-26 下水道の標準活性汚泥法における最終沈殿池に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。
- 池の形状は長方形,正方形又は円形とする。長方形池では,長さと幅との比は3 : 1
以上とし,池数は原則として2池以上とする。 - 排泥のために汚泥かき寄せ機を設ける。この場合の池のこう配は,長方形池の場合
1/100〜2/100とする。 - 水面積負荷は,計画1日最大汚水量に対して,200~300m3/(m2•日)を標準とする。
- 流出設備は,越流ぜきとし,越流負荷は150m3/(m·日)を標準とする。
- 汚泥の引抜きは,ポンプでの引抜きを原則とし,ポンプの台数は予備を含めて2台以上とする。
3. 不適切
水面積負荷は,計画1日最大汚水量に対して、20~30m3/(m2•日)を標準とします。
Ⅲ-27
Ⅲ-27 嫌気無酸素好気法の設計及び維持管理上の留意点に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。
- 設計流入水質,設計処理水質等によるが,一般的に反応タンクの容量が標準活性汚泥法の反応タンクの容量に比べると大きくなる。
- 流入水中の有機物はりん除去に影響を及ぼすので,最初沈殿池で,できるだけ多く有機物除去をする。
- 嫌気性確保のため,嫌気タンクと無酸素タンクの仕切り壁は,開口部面積を必要以上に大きくしない構造とする。
- 嫌気タンクでの生物反応の促進及び汚泥の沈積防止のため,嫌気タンクにはかくはん装置を設ける。
- 硝化液の循環方法として,循環ポンプを使用するほかに好気タンクヘの送気設備を利用したエアリフト効果による循環流を利用する方法もある。
2. 不適切
流入水中の有機物は嫌気タンクにおけるりん除去に利用されるので,最初沈殿池での必要以上の除去はりん除去に対してマイナスとなります。
Ⅲ-28
Ⅲ-28 下水ポンプ場の沈砂池の設計に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。
- 沈砂池の水面積負荷は,雨水沈砂池にあっては1,800m3/(m2•日),汚水沈砂池にあっては3,600m3/(m2•日)程良を標準とする
- 沈砂池の平均流速と滞留時間は,汚水, 雨水ともに,平均流速0.30 m/秒程度,滞留時間30〜60秒程度を標準とする。
- 沈砂池には,池の操作, 不時の停電,沈砂池機械やポンプの修繕等のため,流入口にゲートを設け,流出口にゲート又は角落しを設ける。
- ポンプの計画吸込み水位は,原則として,汚水ポンプは流入管きょの日平均汚水量,雨水ポンプは流入管きょの計画下水量が流入する際の水位から求める。
- ポンプの設置台数は,計画汚水量及び計画雨水量に対して, 汚水ポンプでは2〜5台,雨水ポンプでは2〜6台を標準とする。
1. 不適切
雨水沈砂池にあっては3,600m3/(m2•日),汚水沈砂池にあっては1,800m3/(m2•日)程良を標準なりますので、問題文1.は雨水沈砂池と汚水沈砂池の数値が逆になっています。
Ⅲ-29
Ⅲ-29 雨水管路計画に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。
- 管きょの能力を決定する場合には,雨水管きょにあっては計画雨水量に基づき,合流管きょにあっては計画雨水量と計画時間最大汚水量とを加えた量に基づくものとする。
- 管きょは,圧力管きょを原則とするため,水頭の損失が最小となるよう,地形,地質,道路幅員,地下埋設物等を十分考慮する。
- 管きょの断面,形状及びこう配は,管きょ内に沈殿物が堆積しないよう,適正な流速が確保できるように定める。
- 既存排除施設がある場合は,その能力を適切に評価した上で活用する。
- 管きょの構造については,施設の重要度等に応じた地震対策を講じ,地震時にもその機能を損なわない構造としなければならない。
2. 不適切
管きょは、自然流下が原則です。
Ⅲ-30
Ⅲ-30 汚泥消化に関する次の下線部のうち,最も不適切なものはどれか。
嫌気性消化は,汚泥量の減少と質の安定化,1. 衛生面の安全化が図れる。このため,嫌気性消化は,2. 液状又は脱水汚泥の形で汚泥を最終処分する際に有効なプロセスである。嫌気性消化の副産物として生成する3. メタンを主成分とした消化ガスは,汚泥消化タンクから引抜かれ4. 脱臭後汚泥消化タンクの加温や焼却炉の補助熱源として利用されるほか,最近では5. 消化ガス発電等への利用も実施されている。
4. 不適切
脱臭後ではなく脱硫(硫黄分除去)後である。